伝達だけでないコミュニケーションツール

保育園に子供さんをかよわせている保護者の方とのコミュニケーションをするためのツールの一つが「連絡帳」です。

連絡帳はおそらくほぼ全ての保育園施設で導入しているものと思いますが、毎日ひとりずつ自分のノートを持って通園し、保育士と保護者の方がそれぞれコメントをつけながら子供の毎日の様子を記録していきます。

正直毎日連絡帳に目を通して全員分のコメントをつけるのは大変だと感じることも多いのですが、それでも中にはとても印象的な内容を毎回記載してくれていたりする方もおり、仕事をしていく上の活力になっています。

本来的な連絡帳の使用方法は子供の健康状態や保育園内の様子で気になったこと、食事や排泄などの状態を保護者の方に伝達するということなのですが、そのほかに設けられている「自由欄」の部分は自由に書くことができます。

ほとんどの保護者の方はあっても一言くらいで「見た」という印がついているだけなのですが、中には子供の様子についての悩みを打ち明けてくれたり、積極的に子供の喜ぶことを教えてくれたりもするので保育をしていく上でとても参考になることもよくあります。

何気ない一言のコメントで気がつくことも多いので、もしこれを読まれている方の中で子供の連絡帳を書く立場にいる人がいたら、遠慮せずどんどん書き込みをしてくれることをお願いします。

子供の連絡帳を楽しみにしてくれる保護者の方

反対に保護者の方から「もっと子供のことをいろいろ書いてほしい」とお願いをされたこともあります。
連絡帳の自由欄はスペースが限られているのであまりたくさんのことは書けません。

ですので保育士になりたての頃は読みやすいようにと必要なことを簡潔に書くようにと心がけてきたのですが、ある日保護者の方の一人に「もっと子供について詳しく教えてほしい」という要望をいただきました。

というのもその方のうちは共働きで子供と過ごせる時間が短く、自分たちがいない昼間の時間に子供がどんな様子で過ごしているかということを非常に気にされていたからです。

そちらのお子さんは全く問題行動のない、どちらかと言えばクラスでもしっかりしたタイプの子だったので、他の子に比べて手がかからないということからやや記載内容を控えめにしてしまっていたということもあります。

ですが保育士からすれば他の子の事を知っているので比較でものを見てしまいますが、保護者の方にしてみればその子はたった一人の我が子です。

記載が少ないとなると「あまり保育士さんは自分の子を気にしてくれていないのでは?」という気持になってしまうでしょう。
それ以来反省をこめて、できるだけ詳しく全員に対して自由欄の記載をするようにしています。

子供のポジティブな内容を書く

もう一つ連絡帳への記載で気をつけているのが、できるだけポジティブな情報を優先的に書くようにしているということです。

親にしてみれば一番の関心事は「子供の成長」ですから、一人で食事やトイレができるようになったり、新しい遊びを覚えたりしたということを報告されればとても嬉しいことでしょう。

そうした連絡帳への記載をポジティブ方向に持っていくことは、毎日の業務を前向きな気持にしてくれるので保育士にとってもよい影響があります。

逆にもし怪我やケンカがあったりといったような時には、できるだけしっかり事実確認をして丁寧に記載するようにしています。

中には報告しようかどうか迷うような小さなトラブルもあるのですが、あとから発覚したとき保護者さんの方でどう捉えるかは保育士目線ではわかりません。

小さな自由欄ですが、記載をする方はとても気を使っているのだということを少しでも理解していただければと思います。