手・足・口内に水疱が出る夏風邪の一種

夏風邪ウイルスの一種コクサッキーウイルス等が原因の疾患で、流行のピークは夏季がメインで秋以降も少数ながら発症例が確認されます。
感染原因は罹患者のセキの飛沫や罹患者との接触で、潜伏期間は3~6日です。

4才までの幼児を中心に感染が見られる病気で、約2分の1の患者が2才以下と言われます。
5才以上のこどもも流行的に発生することがありますが、この年令の多くは既に手足口病に感染したことが大半のケースで、この年代や成人での発症例は余り多くありません。

症状は、口内や手の平、足のウラ等に、2㎜~3㎜の水疱の様な発疹が出来ます。
ケースにより、ひじ、ひざ、お尻等に発疹が生じることも珍しくありません。
概ね3人に1人は軽度の発熱症状が見られますが、一般的なケースでは数日間の内に自然に治癒します。
しかし、無菌性髄膜炎等の合併症を引き起こす場合があり、あまり軽くとらえず、経過をよく観察し、様子に異常が見られたら早期の病院受診が望まれます。
よく経過を観察して、経過中に発熱が続いたりぐったりした様子で頭痛を訴えたり、嘔吐等の症状が現れたりした場合は、特に慎重な対処が求められます。

検査と診断

症状を観察すれば簡単に手足口病であることが診断可能です。
突発的に38℃程度の発熱を生じ、次に口内の痛み、食欲不振、手のひら・足のうらに発疹が生じます。

発熱は2~3日もすれば平熱に戻り、発疹も3~4日で水疱が無くなり、深みを帯びた強いダイダイ色に変化して治癒します。
水泡は体幹部位に発疹するケースもありますが、水疱瘡と違って発疹のほとんどは手・足・口内がメインで、水疱は化膿することなく、カサブタができないことでも判別可能です。

ヘルパンギーナとの類似

原因や現れる症状等が良く似ていますが、手足口病はヘルペス性の発疹と違い歯茎が腫れたり赤身を帯びたりしません。
また、ヘルパンギーナの症状は、手や足に発疹が出ないことや39℃以上の高熱を突発する特徴があります。

これに対し、手足口病は37℃~38℃程度と比較するとまだ低く、ケースによっては発熱を伴わない場合もあります。
手足口病は外見上発疹が酷く痛々しく見えますが、意外にこどもは元気なケースも多いのですが、ヘルパンギーナは手足口病ほどには痛さが伝わり難いのですが、こどもにとってはこちらの方が辛いと言えるでしょう。

手足口病の感染の予防法と対処法

残念ながら特別な予防法は見つかっていませんので、個人で清潔を保つ管理を行うしかありません。
排泄物の取り扱いや食事前、オムツ交換前後の十分な手洗いの励行が大切です。

もし手足口病を発症しても、多くの場合は、数日間経てば自然に治癒しますが、口内の水泡が破れると、痛みで食事や水分の摂取が困難な状態となりますので、お粥等水分が多く柔らかい食事や薄味で刺激の少ない食事を中心に食べさせましょう。