眼球を守る結膜の充血や瞼の腫れ

結膜は、眼の部分の名称で、白目の表面から折り返すように瞼の裏側までを保護するために覆う粘膜です。
眼球と瞼を繋ぎ合わせ、かつ、スムーズに動くようにする働きがあります。
涙線で作られた涙は、瞼が瞬くことにより結膜で眼球表面全体を潤し、ゴミや老廃物を洗い流して、細菌やウイルスなどの異物が眼球の中に侵入するのをシャットアウトする重要な役割を果たしています。

結膜炎はその部分の炎症で、症状は眼が充血したり、瞼の裏に突起物ができて目脂や涙が増えたり、眼のカユミ、眼にゴミが入ったみたいなゴロゴロ感等の症状が現れます。
症状が悪化すると、出血や瞼の腫れ等の症状となり、発熱するケースもあります。

はやり目の原因はアデノウイルス

流行性の結膜炎の原因はウイルスによるものが多いのですが、結膜炎の原因はほかにも細菌・カビ等の微生物、埃・ゴミ・摩擦等の物理的刺激、花粉等によるアレルギー反応によって結膜炎を引き起こすこともあります。
比較的頻繁に流行するので、学校でもよく見られる代表的な病気です。

これは、感染した患者の目の分泌物に含まれるウイルスが元となり伝染し、その伝染力も非常に高いため感染の予防が重要です。
ウイルスに対して人が強い抵抗性を持っているときは、ウイルスは活動が不可能なので、病気を発症しません、
そのためウイルス性の病気にかからないためには強いカラダ、強い抵抗力を備えていることが必要です。

アデノウイルス性急性結膜炎の種類と症状

1. 流行性角結膜炎は一般的に「はやり目」の名称で呼ばれ、その原因はアデノウイルス4・8・型等への感染で、結膜に発疹が出来、眼の充血や瞼の腫れ、涙が止まらず流れたりします。
感染ののち1~2週間、潜伏して症状があらわれます。
2. 咽頭結膜熱は一般的に「プール熱」の名称で呼ばれ、同ウイルス3・4型が主因です。
夏季のプールで流行が広がるケースが多いためこの名前が付きました。
感染ののち5~7日、潜伏して発症し、症状は瞼の裏側にブツブツが出来て、咽頭炎により発熱を引き起こします。

ウイルス性急性結膜炎の治療法

このアデノウイルス性急性結膜炎に有効な薬は存在していません。
ウイルスが活動できないよう、休養・栄養を十分にとって体力を落とさない、復活させることがポイントです。
ただ、眼の機能を補助する意味で、他の疾患への感染を防ぐために抗菌点眼薬や炎症を抑える目的でステロイド点眼薬等が処方されます。

また、他人に感染させないようにすることも大流行を防ぐために重要です。
結膜炎の症状が収まってきた時期に、角膜表面に極小さな点状のニゴリが見られるケースが見られます。
このタイミングで治療を終了してしまうと、黒目がニゴリ視力が落ちる場合があるため、医師が治療終了と言うまでは治療を続けなくてはいけません。