子供の記憶に残る言葉とは?
皆さんは、子供の頃に言われてずっと記憶に残っている言葉はありますか?
私は自分が3歳くらいのときに普段は口数の少ない父親から保育園で描いた絵のことを褒めてもらったことを今でも鮮明に覚えています。
私自身毎日のように多くの子供たちと接する仕事についていますが、何気なく言った一言がその子の人生に渡って残る言葉になってしまうのではないかと思うと身の引き締まる思いがします。
大人になるとついつい忘れてしまうものですが、子供の時に身近な大人の人から与えられた評価というのは深く心に残るものでそれがその子の一生を左右するほどのものになることもあります。
現在有名デザイナーやアーティストとして活躍されている人の中にも、保育園くらいの年齢の時期に大人から作品をほめてもらったことを原動力としていることもあるほどで、言葉の力の強さを実感する思いです。
逆に大人からけなされたりよくない評価を受けたことが心の傷となり、その後の人間関係をうまく築くことができなくなったり自分自身を肯定することができなくなったりすることもあります。
子供にかける言葉の影響力の強さを、まず身近で接する大人たちは全てきちんと理解しておくべきと言えます。
子供の心に残るネガティブワード
子供の心を大きく傷つけてしまう言葉の代表として、自分自身そのものを否定するネガティブワードがあります。
最もよくないとされているのが母親からの「お前なんて生まなきゃ良かった」「お前のせいで私は不幸になった」というような、存在そのものが迷惑であるというような意思表示でこれはどんな人でもかなり長期間に渡るダメージになるということがわかっています。
また兄弟姉妹がいる場合や、身近に年齢の近い友達がいるような場合に「~~はできるのに、あなたはできないの?」「~~よりもダメ(遅い、下手、苦手)ね」といったような比較して落とすような言い方もかなり精神的ダメージは大きくなります。
大人の感覚ではライバルを意識して与えることで本人の闘争心を煽りたいということもあるのでしょうが、比較をして自分の方が劣るという意識を幼いころから植え付けることは、「どうせ自分は努力をしても負けるんだ」というような強い劣等感を植え付けてしまうことになるので逆効果です。
また子供に対して良かれと思って掛ける言葉が、逆に心の傷になることもよくあります。
子供を褒めるときに「えらいね」「おりこうだね」「立派だね」といった言い方をすることは、子供に対して大人の言いなりになるという態度全体を評価することになるので、常に大人の顔色を見る子供に育ってしまうことになります。
泣いたりわがままを言ったりということは大人にとっては確かに面倒な行動ですが、それらは全て自分でものを考えて行動するという自立の過程の一つなので、それを力で抑えこんでしまうことは後の人格形成に悪い影響が起こってきます。
あまりにも良い子であることを強制すると、大人の目に隠れて悪いことをする習慣がついてしまったりします。